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素晴らしきソーシャルな日々^^)/

2016年1月10日 (日)

映画:『7月7日、晴れ』は、懐かしくも胸にキュンと来る秀作!

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まったく時期外れなんですが、昔、撮り溜めてた映画を観ました。
萩原聖人、観月ありさ主演、1996年の今から20年前の映画。
「7月7日、晴れ」
です。
 
20年前ですから、キャストが皆、若い。
今では大御所格の人たちが、脇役でわんさか登場している。
何と言っても、この遅ればせながらのバブル感がすごい。
時代が近いことと、何と言っても設定があの頃の前のホイチョイプロが作り出しそうな、「私をスキーに連れてって」世代に響きそうな映画。
 

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皆若いのですが、何しろこの頃の観月ありさは、やっぱり綺麗だったんだなぁ、と。
まだ20代かな。とっても魅力的です。
この時代は、まだバブルの名残が十分に残る時代で、登場する場所や設定もかなりお洒落です。
週末にキャンプ仲間が集まる設定ですが、車やバイクや、当時最新の自転車や、その他のキャンプ道具など、往年の「私をスキーに連れてって」「彼女が水着に着替えたら」並みに羨ましい設定です。
 

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映画は、ラブロマンスですね。観月ありさが演じる望月ひなたと、萩原聖人演じる山部健太の純愛ラブストーリー。
偶然出会った二人は、互いの立場など関係なく惹かれ合い、そして自然に付き合い始めるのですが、大人の事情で離れ離れになってしまいます。
望月ひなたはグローバルに有名な歌手、山部健太は自動車会社のしがないサラリーマン。
その立場を超えて、惹かれあう二人の純粋さがいい。
 

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終盤のシーンで、ひなたがラジオで語りだします。
「本当に大切なものはすぐそばにある。それがいろんなものが邪魔していて見えなくなってるだけだって。」
そうなんですよね。皆、見失っている。本当に大切なものはすぐそばにあるということに共感できるとき、人は、今の自分だった十分幸せなんだって感じる。
 
ドリカムの歌がまたいい。「会いたくて、会いたくて、会えなくて・・・」が染みます。
  

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何しろ、この映画、ちょっとした幸せを感じるにはとってもいい映画。
そして、重要なのは、そのちょっとした幸せこそ、生きている証なんだって気づくこと。
僕らは、大切な人とちょっとした幸せを分かち合うために生きているんだ、って、そんなことに気づかせてくれる映画です。秀作ですね。
 

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監督:本広克行
主演:観月ありさ、萩原聖人
音楽:中村正人(ドリカム)
 

2015年1月24日 (土)

映画:『おみおくりの作法』は、自分の余生について考えさせられる秀作。

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「王様のブランチ」でLiLicoさんが大絶賛しているのを見て、あ、この映画は本物だ!と直感。

本日公開の映画、『おみおくりの作法』を観にシネスイッチ銀座まで行きました。
 
 

『おみおくりの作法』は、イギリス製のヒューマンドラマです。

孤独死をした人を弔う民生係のジョン・メイ。彼は、孤独死した人を敬い、たとえ葬儀に参列者がいなくても、その人の生前好きだっただろうもの、動物、音楽、趣味などを調べ、埋葬まで責任もって執り行うという仕事をしています。
 
そのジョン・メイも、実は44歳にしてひとりぼっちの生活。街行く人のひとりぼっちの姿を見ると、自分の姿を重ね合わせたりしています。
ある日、自分のアパートの向かいに住む男が孤独死していたことを知ります。こんなに近くに住んでいたのに、その男のことも知らなければ、死んで数週間経っていたということも知らなかった自分に、ジョン・メイはショックを受けます。
そこから、彼はその孤独死の男、ビリー・ストークの人生を振り返る旅を始めるのです。
 
 

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ジョン・メイ役のエディ・マーサンがとてもいい味を出しています。ひとりぼっちの彼の仕事中の様子は、少々険しい顔つきで、人生を達観しているような、他人を憂うような、無表情にも悲しそうにも見える表情です。それは、”孤独”というものを背負った人間の誰もがしてしまう表情なのかもしれません。
 

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ビリーの生きた足取りを追ううちに、ジョンはケリーという女性にめぐり合います。
彼女とビリーの葬儀について話をする時のシーン。ここだけは、ジョンが生き生きと誰かのために生きている、ようやく人生の中で生きる目標を見つけたような、そんな表情を取り戻すのが印象的です。
 
 

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そして、ドラマはこのあと、思いもかけない結末を迎えます。
この結末がとても切ないのです。切ないと同時に、ジョンの気持ちを感じるのです。意思を感じるのです。ジョンは間違ってなんかなかったんだなと。
 
この映画は、観る人によって評価が分かれると思います。
人生に対する価値観、死生感、そうしたものが違うと、この映画のラストの捕らえ方は全然変わってくると思います。
さあ、あなたは、このラストをどう評価するでしょうか。
僕には、ジョン・メイが最後まで見せることのなかった最高の笑顔が、見えた気がするのですけどね。
 
さて。
邦題では『おみおくりの作法』なんですが、原題『STILL LIFE』は、どんな意味なんでしょう。
そのまま訳すと「静物」なんですが、僕は、「残りの人生」と訳してみたいですね。
誰もが、人生の終盤は孤独になる可能性があります。身寄りもなく、いつかたった一人でアパートの一室で人生の最後を迎えることもあるかもしれません。
そう。「残りの人生」をどう過ごすのか。その人生は誰にとっても大事な人生。
誰かに看取られる人生を歩むことが、どれだけ幸せなことなのか、そんな幸せを感じることでしょう。
 
東京では、シネスイッチ銀座で公開されています。
公式HPはアクセスが殺到していて見れない状態が続いています。
今日の午後の回も、満席・立ち見が続きました。
ぜひ、余裕を持って観に来てください。
 

2014年5月 7日 (水)

映画:『テルマエロマエⅡ』~世紀のSF(すごい風呂)超大作~

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【ネタバレ注意】

先日、奥さんと2人して、なぜか映画にそこそこしか興味のない奥さんが観たいと言った、『テルマエロマエⅡ』を観に行きました。
たぶん、奥さんは1作目は観てないと思うのだけど、それでも十分に楽しんでいました。
2作目のこの『テルマエロマエⅡ』は、そんなテルマエ初心者達にも十分に満足できる出来だと思います。

「テルマエ」とは、「お風呂」の事。「ロマエ」は「ローマ」。これは「ローマのお風呂」のお話です。

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ローマのテルマエ技師のルシウス(阿部寛)は、皇帝や元老院から数々の難題を与えられます。

それは、ある時は「グラディエーター達が傷を癒せる最高の風呂」であったり、あるいは、「ローマの子供たちが楽しめる風呂」であったり・・・
そのお題に応えるために、真剣に悩めば悩むほど、彼は湯船の激流に吸い込まれ・・・

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そして1作目同様に、ルシウスは「平たい顔族」の住む、現代の日本にタイムスリップしてしまうのです。
そこで見る銭湯だったり、湯~とぴあだったり、それらにあるサービスや設備は、彼にとっては全てがお題解決のアイデアに結びつくものだったのです。
ローマにもどったルシウスは、見てきたものをヒントに、数々のテルマエを作ります。

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そんな時に、皇帝から直々に「最高のテルマエ」の建設を命じられます。
その依頼もローマのためにと、快く受けるルシウス。
しかし、そうしたテルマエによる平穏の様子を快く思わない元老院は、次期皇帝であるケイトニウス(北村一輝)と結託。悪だくみを企て、ルシウスと、そしてなぜか一緒にタイムスリップで
ローマ時代に来てしまった真実(上戸彩)とを罠にはめるのです。
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魔女の汚名を着せられ、処刑されることになってしまった真実。彼女を助けるために奔走するルシウスとその仲間たち。
そして、ケイトニウスと思われていた人物は実は・・・!

この『テルマエロマエⅡ』はエンターテイメントの映画として最高。笑いあり、ちょっぴり涙あ
り、何と言うかとても安心して観ることのできる仕上がりです。

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特に、僕のお気に入りは、阿部寛の演技です。
彼の彫りの深い顔立ちは、驚いたり、笑ったり、怒ったりといった表情が豊かで愛嬌があるのです。

温泉郷の近くの中華屋で初めて見る餃子。
「なんだ、この焦げたパンのようなものは。なんだ、こんなものが美味いはずは・・・」
(一つを手づかみでとって、一口かじる)
「う、美味い。何という美味さだ、もう止まらん。」そう言って、一気に5個も餃子を平らげるル
シウス。ここの表情が最高なのです。
最後の1個はローマに持ち帰ろうと、首に下げた袋にしまうところなど、映画館の中でしたが大笑いしてしまいました。

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そんな『テルマエロマエⅡ』は、ブルガリアでロケをしています。

ブルガリアの広大な土地にセットを構え、2作目はなかなかお金をかけた作品になりました。
次回作もあってもおかしくない終わり方。ぜひぜひ次回も期待の作品です。

2013年11月 3日 (日)

関東三十六不動尊 札所探訪(1)

関東三十六不動尊 札所探訪(1)

11/2(土)、神奈川にある2つのお寺を訪問しました。
正直、なめていました。坂東や秩父の札所のように、比較的簡単にそこに辿りつけるものと思っていました。
思えば、想像以上に東名が渋滞だったことも含め、今回は苦難を味あわせたかったのかもしれません。

■第2番 道了尊(清瀧不動尊)

順番と異なるのですが、今日は遠い方から。
まずは、2番札所の道了尊(清瀧不動尊)です。
すごく広く立派な境内のこのお寺、最上寺は、見事に巨大な赤い下駄が印象的。

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しかし、ここの醍醐味は、そう、奥の院でした。

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奥の院には、ご本尊がいます。

ご本尊に会うには、どのお寺も少々苦労を強いられます。
例えば、ある秩父のお寺は険しい山を登らさえます。鎖1本を頼りに登る場所もあります。
またあるお寺は、何百段もある階段を登らされます。
この最上寺もそうで、何百段もの石段が待ち受けていました。
あたかも苦行をさせられている気がしますが、そうではありません。

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これは、世の中を、人生の妙を、体現させられているのです。

踊り場のない石段は、とてもしんどく、何度も何度も立ち止まります。
しかし登り続けていくと、もう引き返すことはできません。登り切るしかないのです。それは本当に人生そのものです。人生も後戻りできません。
辛くても、苦しくても、足が痛くても、休み休みでも、登るしかないのです。
登り切って初めて、何かを得た気分になる。

登り切ったそこには、本堂とは異なる小さな社。
しかし、そこにおわすわけです。真の不動尊が。
ありがたくも図らずも、人生とはを?を身体に染みつけてくれる、そんな経験ができるのです。そういう思いを味わえるのです。

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■第1番 大山寺(大山不動尊)

大山の頂上まで行けば、また違った風景が楽しめたと思うのですが、到着が15:00を廻っていたので、残念ながら行けませんでした。
大山寺は、ケーブルカーで登ります。

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ケーブルカーの駅までの参道のお店が風情がありますね。

昔ながらと言うか、ほのぼのと懐かしさ。
煎餅や、イカ焼きなどの香ばしい匂い、漬物、色とりどりのお菓子、木彫りの人形や独楽、もう懐かしさと雰囲気に心が和まされます。
周囲には豆腐懐石やイノシシ料理を出す旅館も多く、一度は宿泊したいなあと感じた次第。

ケーブルカーで一駅上がると、そこが大山寺駅。
5,6分歩き、急坂を登ると、そこにお寺があります。

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ここまでは比較的楽な参拝ですが、下山の段になってやはり体力的な苦行が・・・。

帰りもケーブルカーにすれば良かったのかもしれませんが、なぜか歩いて降りようという気持ちに。これも仏の導きなのかもしれません。
夕刻近くでだんだん暗くなってくる山道を、足もとに気をつけながら降りて行きます。これが想像していたよりも体力を使います。
おかげで、体脂肪を燃焼できたのですが、下りている時は、けっこうしんどい。登るのもしんどいですが、下りるのも。どれだけ身体がなまっているかを、今回は痛烈に感じさせられました。
少し運動を増やさないといけないようです。

帰りの東名と首都高も、想像以上の渋滞に。
ラジオから事故渋滞の情報がひっきりなしに流れてくるところみると、今日はなんだか厄日のような。
安全運転で帰ってきましたが、結局今日は朝8時から夜7時半の11時間半の小旅行となりました。

さあ、この調子で関東不動尊も廻るぞ!

2013年9月 7日 (土)

映画:『風立ちぬ』~それでも、生きねば~

【ネタばれ注意】
 
01 宮崎駿監督の自身最後の作品とした『風立ちぬ』。
本日観に行ってきました。
何と言うか。じわっとくる感動。引き込まれるというより、五体に染み込む感じ。
 
宮崎監督は、こういうアニメを作りたかったのか、と妙に納得。
ジブリ作品だからと言って、小さい子どもを連れて行ったら、まずわからないと思う。
 
これは、今を生きる大人のための映画。子どもから大人になろうとする人達へのメッセージかもしれない。
 
03 時代は、関東大震災直後から、第二次世界大戦が勃発する1930年代あたり。
零戦を作った堀越二郎の半生をモチーフにして描いたもの。
 
もう一人リスペクトしているのは、同年代に生きた堀辰雄。『風立ちぬ』『菜穂子』といった作品も、この映画の中でベースにしている。
05
 
ファンタジーの要素は全くなく、リアリズムを追及した、としているが、夢の中で語るシーンも多く、幻想的である。
美しい飛行機を作る設計者としての夢を真摯に追い続ける二郎。正義感が強く、何事も真正直。
 
しかし、今も昔も時代は矛盾を抱えている。
美しい飛行機を設計したい夢を持ちつつも、その飛行機は戦争と殺人の道具として使われる。
町にはその日の食べ物にありつけない子どもたちがたくさんいるというのに、多大なコストをかけて飛行機を作るという日本国の矛盾。
二郎は、そういう時代に生きていた。
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そして、その時代で菜穂子と出会う。
関東大震災の場に居合わせた二人は、その後偶然にも軽井沢で再会する。
最初に会った電車の中では、風に飛ばされた二郎の帽子ををキャッチしてくれた。
Kaze_tatini03Kaze_tatini04_2 再会の軽井沢では、菜穂子の帽子を二郎がキャッチした。
この、互いが突然に魅かれていくさまを、それをもう一度確認するさまを、帽子のキャッチに例えているようだ。
 
しかし、菜穂子は病気に冒されていた。
当時の結核は深刻だ。高原の病院で治療を続ける菜穂子。
雪の高原という季節にもあいまって、心境のさみしさが伝わってくる。
Kaze_tatini06_2 Kaze_tatini07
 
主人公の二郎は、どのような状況においても迷いがない。
迷いなく、自分の信じた道を進む。それが小気味良い。
 
どんな逆境が目の前に現れても、迷わずに一生懸命夢に向かって生きろ、生きねばならない、と二郎達は教えてくれる。
Kaze_tatini08 Kaze_tatini09
 
矛盾を抱えた時代でも、ひたすら生きることを教えてくれる。
美しく仕上がった零戦は、ただの一機も帰ってくることはなかった。
若くして死んだ(恐らく)妻は、生きてと言った。
カプローニは、まだ君は生きなさい、と言った。
Kaze_tatini011 Naoko
二郎はありがとう、本当にありがとう、と涙を流す。
 
飛ばされた帽子を拾ってくれる菜穂子はいない。
しかし、二郎は、一生懸命生きていく。
 
これは、この時代を生きる全ての子どもたちに、宮崎監督からの真摯なメッセージだ。
夢を持って、一生懸命生きなさい、と。
 
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2013年8月24日 (土)

映画:『ガチ☆ボーイ』~それでも明日を生きる~

【ネタばれ注意】
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けっこう古い映画なのだけど。
2007年に公開、佐藤隆太主演。青春スポ根ムービー、『ガチ☆ボーイ』。
不覚にも、涙が出て来てしまった。やっぱりこの手の映画には弱い。
努力して何かをつかみ取る物語には、涙腺を刺激する作用が共通してあるようだ。この映画も、僕の涙腺を刺激してやまなかった。
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舞台は、ある大学の学生プロレス研究会。
プロレスを興行(ショー)という観点から、しかし真剣に取り組む学生たち。
そこに、主人公五十嵐(佐藤隆太)が現れる。自分も入部したいと言うのだ。
部員不足のプロレス研究会は喜んで五十嵐を迎える。
 
ところが、練習しても練習しても、なかなか五十嵐は技の段取りを覚えられない。
そんな状態で挑んだ最初の試合で、五十嵐はガチンコで試合をし、それが大盛り上がり。ついに人気レスラーとなってしまうのだ。
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キャストがなかなかいい。
プロレス研究会の部長に、向井理。イケメンの彼だが、この映画では、どちらかと言うと、貧弱な身体をさらけ出して熱演している。
 
五十嵐があこがれるマネージャーにサエコ。まだ結婚前だろうか。時折、ヒステリックな叫び声をあげるセリフでは、耳障りな声ではあるが、この映画の役どころでははまっている。かわいいマネージャー役をこなしている。
 
五十嵐の妹役に、仲里依紗。まだ認知度があがる前か。なんとなく初々しい演技だ。
 
五十嵐の父親役に、やはりこの人は人情味ある演技だ、泉谷しげる。父親の苦悩を見事にセリフなしで魅せてくれる。すばらしい。
他にも、宮川大輔などが脇をかざっている。
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五十嵐は司法試験合格を目指す学生で、将来を期待された逸材だったが、事故で一晩眠るとその日の出来事を全て忘れてしまうという“高次脳機能障害”を負っていた。
そのため、毎日、自分の身の周りに起きたことをメモしまくり、それを明日の自分に託すという毎日を送っていた。翌朝には全てを忘れているため、残されたメモを読むことが毎朝の彼の日課となる。なんともせつない。
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そのせつなさをストレートに感じるのは、サエコ演じる麻子とバスで帰るシーン。
「去年の学祭の試合、覚えてますか。俺、試合を見てて怪我しちゃって。麻子さんが救護室まで連れて行ってくれたんですよ。その時から、俺・・・」
(急に泣き出す麻子)
「その話、4回目。私、奥寺さんが好きなの。これは2回目。ごめんね。」
「・・・そっか。なんで、こんな大事な話、メモしなかったんだろう。」
バスを降りる五十嵐。バス停で立ち尽くす。雨が容赦なく降り注ぐ。
なんともせつない話である。このような障害ならではの、とてもせつなく悲しいシチュエーションである。
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しかし、ここから、この映画は盛り上がって行く。
今を生きることの尊さを、今を生きることの大事さを知る五十嵐は、果敢に試合に臨んでいくのだ。
 
最後の試合、壮絶なガチンコは、学生プロレスということを考えれば、ただのショーなのだが、しかし、あまりにもひたむきに戦う五十嵐の姿に、観客も、仲間も、そしてこの映画を観る観客も引き込まれていく。
立って、立ち向かうんだ、がんばれ!と、心の中で叫ぶ自分がいる。
すっかり、五十嵐に魅かれて行く。
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なんなのだろうか。この映画の魅力は。
ひたむきさ、仲間を思う気持ち、今を生きること。
いろいろな要素が折り重なって、それが全部まるごとひっくるめてポジティブな明るさを引きだしている。
 
青春スポ根エンターテイメント。いいじゃないか。なかなかの秀作。
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2013年8月15日 (木)

映画:『パシフィック・リム』~最後の望みは巨兵~

【ネタばれ注意】

01 なにしろこの映画の凄まじさは、「KAIJYU」と巨兵イェーガーの闘いである。
 
さすが日本の怪獣映画やロボットアニメが好きだというだけあって、ギレルモ監督の手腕がこれでもかこれでもかと発揮されている。
02 CMでも披露されてたいたが、必殺技を繰り出す際に、「エルボーロケット!!!」などと叫ぶあたり、往年のロボットアニメファンなら、もうワクワクさせられる。
心の中で「そこだー!!」と叫んでいることだろう。
 
05 物語は、突如太平洋海底から出現するようになった「KAIJYU」達と、巨兵イェーガーを開発し、これに乗って闘う人間達との、壮絶な戦闘の物語なのだが、その裏には様々な人間模様が描かれている。
人間模様と言っても、かつてのロボットアニメなどで描かれた世界に、相当酷似していて、我々昭和世代は何の抵抗もなく物語に入って行けるだろう。
 
08 イェーガーは、人間とシンクロする。
ドリフトと呼ばれるこのシンクロは、精神的なダメージが大きいため、二人でないと操縦できない。こうした設定が、ちょっとしたアクセントになっていて、物語を面白くしている。
 
06 イェーガーには何種類かあって、それぞれが必殺技を持っている。それが嬉しい。
胸の装甲が開き、いくつもの砲台が出たかと思うとミサイル連射。
腕に回転するカッターが仕込まれ、腕と同時に身体ごと回転させて切り刻む。
極めつけは、強力な両腕からのビームキャノン。(どんな理屈かわからないが。)
ロボットアニメでさんざん見てきた必殺技が、スクリーンいっぱいに炸裂する。
怪獣のほうも数種類いて、それぞれが重量感あり、スピード感あり。
どこかで見たことのあるような怪獣たちもいて、懐かしさも感じられる。
 
07 怪獣たちが決して弱くないのもいい。
ウルトラマンのように必ず正義が勝つ、というわけではなく、若干怪獣たちのほうが強いので、一戦一戦に緊張感が伴っているのだ。
イェーガーのやられ方も半端ではなく、胸元をえぐられて  コックピットに容赦なく爪を差しこまれ、機械ごと操縦者が握りつぶされたり、けっこうエグいシーンもあったと思う。
 
爆弾を持った主役級が、最後は人類のために身を投げ出すところなどの描き方は、最近のハリウッド映画ではお馴染み過ぎて、少々見飽きた感もあるが、この映画に限っては、そんなところも許してしまおう。
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 菊地凛子と芦田愛菜という日本の女優陣の演技にも少し触れておきたい。
正直言えば、菊地凛子はあまり好きではなかったのだが……。
日本人離れしたくっきりとした目鼻立ち。決して美しい顔立ちではないのだが、吸いこまれそうなくらい大きな瞳。そして何と言っても、女性らしい仕草より、男性的でサバサバした感じ。
これが、彼女の魅力なんだと感じるようになるには、この映画を見るといい。何と小気味良い感じ。闘う女を演じ切っている。
 
04_2 その菊地凛子演じるマコの幼少期を演じたのが、芦田愛菜だ。映画の中ではそんなに出番はない。すごく短いし、セリフよりも怪獣に追われて叫んで逃げるシーンばかりだ。しかし、そんな恐怖を演じ
るシーンであっても、この子はほんとに上手だ。
ここから、どんどん海外を経験できる役者に育ってほしいと思う。
 
 
 さあ、なにしろこの映画、ロボットVS怪獣という、男子憧れのリアルシーンをスクリーンに実現してくれたのだ。
存分にその迫力を味わえば、それでいいのだ。
 

2013年7月20日 (土)

サンダーバード博 世紀の特撮が描くボクらの未来

20130720_131211 『サンダーバード博』、行ってきました!!
「サンダーバード」どれだけの方がご存知でしょうか?
僕の場合は、子供の頃、かなり憧れの特撮という感じでした。
 
このお話は、当時としては画期的な近未来を描いています。
悪役がいて、必ず大災害あるいは大事故に見舞われるのですが、その都度、国際救助隊が秘密メカを駆使して、人命救助をするのです。
 
この国際救助隊。
どこにあって、誰がいて、という一切の情報が極秘になっています。
国際救助隊のメンバーは、大富豪のトレーシー一家。
兄弟達は、それぞれ得意のメカを操りながら、不可能と思えるミッションに立ち向かっていくのです。
 
『サンダーバード博』では、そのあたりを3D映像として見せてくれます。オープニングに観客の心をキャッチし、あの頃に観た興奮を思い起こさせてくれます。
 
登場するキャラクター達も素敵です。
 
P1000298 P1000301 長男のスコットは、1号機パイロット。
作戦練り、その場その場で指示を出す、現場リーダーです。
 
次男のジョンは、5号機宇宙ステーションに勤務。
地球上のあらゆる無線を受け、危機を事前にキャッチ。
 
P1000306 三男のバージルは、2号機パイロット。
様々な救出メカを運ぶ2号機を操ります。
 
P1000324 四男ゴードンは、4号機パイロット。
海底作業は、4号機の担当です。
 
P1000316 五男のアラン。3号機パイロット。
宇宙ステーションの5号まで行ける、宇宙ロケットです。
 
P1000330 あと、僕の大好きなペネロープ。
彼女が一番バイオレンスかもしれない。
愛車FAB-1、ロールス・ロイス。ロールス・ロイス社から正式に認められての車名。その証拠に、ロールス・ロイスのエンブレムを付けることが義務付けられています。
車の先端からマシンガンが出て、敵を撃破するところなど、最高にエキサイティング!です。^^
 
20130720_135756 P1000313 国際救助隊のある、トレーシー島。
ここ、行ってみたいなぁ。ないけど。
でも、憧れるよね。
20130720_204639 さあ、『サンダーバード博』限定モデルのTB2もゲットしたし、今日はこれで楽しもうかな。
 
『サンダーバード博』は、9月23日まで!^^)/
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2013年6月 1日 (土)

映画:『オブリビオン』~地球は過去の惑星となる~

【ネタばれ注意】(だけど、できるだけネタはばらしません。^^;)
Woo_6 2013年5月31日。本日公開。トム・クルーズ主演の『オブリビオン』。
公開初日に、我慢できずに見に行きました。
「オブリビオン」とは、「忘却」という意味。
トム・クルーズ演じる、ジャック・ハーパーは、侵略戦争後の地球に残り、ドローン(無人偵察機)のメンテナンスを任務にしている。そのジャックは、5年前より昔の記憶がない。任務のために、記憶を消されているのだ。
 
映画のタイトルにもなった、「オブリビオン(忘却)」は、まさしくその失われた記憶に、映画全体を形作る骨子が示されている。失われた記憶を、ジャックが取り戻すのか、取り戻せないのか。取り戻したらジャックはどんな行動に出るのか。
 
Woo_7 《忘却》の彼方に置いてきた記憶だが、ジャックは常々見る夢がある。
それは、名前もわからない美女と、エンパイアステートビルの前で会い、展望台から双眼鏡をのぞく、という夢。ジャックにはそれが単なる夢には思えない。
 
Woo_8 ある日、上空から、旧式のロケットが落ちてくる。救出に行くと、そこには、夢で繰り返し見た、あの美女の入ったカプセルが。ジャックは、命をかけて、彼女を救う。
 
この辺りから、展開はどんどん早くなっていく。それまでは、荒廃した地球と、ただただ任務をこなすスローモーな映像だったのに比べ、この美女・ジュリア(オルガ・キュリレンコ)の登場で、俄然、ストーリーに加速度がついた感じだ。
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なぜ、ジャックは地球に残り、守っているのか。
なぜ、エイリアンたちはしつこく攻撃してくるのか。
そして、ジュリアは一体何者なのか。
 
そうした一つ一つの謎は、モーガン・フリーマン扮するビーチの登場で、観る者にはたと気づかせてくれる。ビーチがいることで、それまで主人公も観客も信じ切っていた、この世界の在り方は、実は全く異なっていたことに気づかされる。
Woo_10 
『オブリビオン』の世界は、未来の荒廃した地球である。放射能にまみれ、砂漠化し、建物という建物は崩れ、瓦礫と化している。さらっと描かれる自由の女神の腕だけとかが、荒廃の様子を間接的に視覚的に訴える。
 
それと、まったく世界観は異なるが、しかし、ビーチのまとめあげている集団の世界は、まるで、『マトリックス』のザイオンのようでもある。ザイオンが、機械から人間を解放しようとしていた、世界の《真実》であったとしたなら、本作でのビーチの登場は、同じようにこの世界の《真実》を告白する場面でもある。
Woo_11 
しかし、ジャックはまだ確信できなかった。
そして、ジュリアを連れて、危険地帯へと向かう。そこで見たものは、ジャックにとっては残酷な事実、この世界を創り上げている真の世界を示すものであった。
 
勘のいい人は、この映画に似ている、と言ってしまうと、ピンと来るかもしれない。
ユアン・マクレガーとスカーレット・ヨハンソンが主演した、『アイランド』。
この映画も実に、驚かされる話だった。
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ビーチを助けることに決めたジャックは、ついに敵の本拠地テットに向かう。
この映画で一つ残念なことを挙げるとすれば、一体、テットは何を目的に存在していたのか、その存在理由が希薄になってしまった点だ。真実がわかった分、テットが一体、何を目的にしていたのかが、説明されないまま。
しかし、最後の決戦はテットの内部へと舞台を移していく。
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多くの映画が共通に描いているテーマに、「愛する者を守り抜く主人公の姿」がある。本作も、ジャック目線で、その王道をつき進む。
そして、見事にジャックは愛する地球と愛する者を守り抜くのだが……。
 
最後の最後の大団円は、果たして観客を納得させられるだろうか。
僕は、この映画の終わり方をこうしてしまうと、妙な寂しさだけを残してしまうと思うのだが……
ぜひぜひ、この映画を観て、感想を聞かせてくださいな。^^)/

2013年5月15日 (水)

映画:『マイ・ブルーベリー・ナイツ』~旅に出て、そして幸せを知る~

【ネタばれ注意】
ちょっと古い映画になるけれど。女性にお奨めの映画です。
この手の映画は、秋の夜長にじっくり観てもらいたい雰囲気なので、いつもなら秋の夜に投稿していると思うけど。なんとなく、また観てしまったので・・・^^;)
主人公は、ノラ・ジョーンズ扮するエリザベス。
ニューヨークで、エリザベスは恋に破れます。愛していた彼に理由もわからずに捨てられるんですね。
それで彼女は、ジェレミー(ジュード・ロウ)のお店に、彼の部屋の鍵を預けます。
「彼が来たら、渡しといて。」
05 そうは言うものの、彼が鍵を取りにきたか気になるエリザベスは、ちょくちょく店にやってきます。でもいつまでたっても彼は鍵を取りに来ません。では、預けた鍵はどうなっちゃうの?
そして、ジェレミーとだんだんと話をするようになるのです。
「別れの理由が知りたいの」

「どうかな。僕が思うに・・・時には知らないほうがいいこともあるよ。それに理由なんて見つからないことだってあるし。」

「どんなことにだって、理由はあるわ」

「うーん、例えばここにあるパイやケーキと同じ。毎晩店を閉めるとき、チーズケーキとアップルパイは売り切れ。ピーチ・コブラーとチョコレートムースもほぼ完売。でも、ブルーベリー・パイは手つかずで残ってしまう。」

「何がいけないの?」

02 「理由なんて何もないさ。パイのせいじゃないんだ、注文がない。選ばれないだけ。」

(ジェレミーがブルーベリーパイを捨てようとするのを遮って)
「待って。一切れもらうわ。」
このあたりの会話がお洒落。
エリザベスは自分とブルーベリーパイを重ね合わせて見てしまう。
一日中、他のパイやケーキと同じようにショーケースの中に入れられていたのに、誰にも注文されない。そして、理由もなくゴミ箱に捨てられる。自分が美味しくないわけでもないのに。
06 ここから少女の旅が始まります。ニューヨークを離れ、遠くへ、遠くへ。
滞在する先々で、エリザベスは、悲しい愛を、切ない愛を、元に戻すことのできない愛を、失って初めて気づく愛を、そしてかけがえのない愛の形を目にし、ニューヨークに戻るのです。
そこに、自分の必要としていた愛を感じて。
07 周りを固める俳優陣、ジュード・ロウ、レイチェル・ワイズ、ナタリー・ポートマンも最高です。
ゆっくりと本当の愛に気づいていく少女のロードムービー。
ジュード・ロウとのキスシーンも、エロティックになりそうなところを、敢えて可愛く仕上げています。
03 男性には、ちと甘ったるい感じかなぁ。
これはぜひ、女性に観てもらいたい映画です。^^)